一つ一つに真心を込めた泉州漬についてご紹介いたします。

漬物匠 高橋 勝治

昭和二十年、
徳島に生まれる。
昭和三十九年、大阪府岸和田市で
若葉を創業。
平成十年、現在の大阪府
和泉市に本店を移転。

 糠漬けの美味しさに魅せられ、生涯を糠漬けに捧げる一人の匠がここにいます。

 その生き方を確固たるものとして決定づけたのが、泉州の地で出会った水茄子の糠漬けでした。

 そして、自分の手でもっと美味しい糠漬けに、と情熱を注ぎ「水茄子泉州漬」を完成させた日から三十余年、あくまでも手で漬けることにこだわり、昔ながらの漬物だけが持つ味を追い続けてきました。

 匠の心と技から生まれる信念の味、若葉の手造りつけもの。
本物の違いがわかる方に味わっていただきたい、と願っています。

 水茄子の最盛期である夏になると、一日に三時間ほどしか眠れない日が続きます。

 機械を導入しようかと悩んだこともありましたが、娘に言われた一言が今も心を支えます。
「お父さんの手で混ぜてるから、お父さんの味になる」

 手造りを名乗る漬物は数々ありますが、泉州漬のようにすべての過程を人の手が通るものはそう多くはありません。

 泉州漬は一番美味しい時に食べていただけるように、お客様の家へ届く日を逆算して漬けはじめます。

 こうして丹精こめた泉州漬をお客様の元へ送り出すのは、大切に育てた娘を嫁がせる気持ちに少し似ているのかもしれません。

 また、料理人や旅館の女将さんなど、食にこだわるお客様からのご注文が多いのも嬉しいかぎり。

 泉州漬への自らの思い入れを理解してくれるお客様に出会い、美味しかったといわれる時、嫁いでいった娘を思いやる父のように、ほっと安堵を覚えるのです。

 昭和三十九年の創業から守り続けてきた糠床には、自然製法の天日塩、風味豊かな天然昆布など、こだわりの素材だけを厳選。
吟味を重ねた本物の味だからこそお客様に胸を張ってお勧めできるのです。

 また、水茄子漬は、大阪府の特産品として”発見”なにわの食品第一号に認証。その特別表示食品として若葉の泉州漬は「3Eマーク食品」表示を認められました。

 厳しい審査基準に合格したのも、日頃の創意工夫の結果です。


掲載雑誌一覧 

ミセス 1994年 12月号
土井善晴おかずのクッキング 1999年 6・7月放送分

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